FA機器・伝導機器の幅広い取扱いから最適なエンジニアリングを実施
COLUMN
金属加工の現場では、人手不足と技能者の高齢化が年々深刻になっています。「求人を出しても人が集まらない」「ベテランが抜けたら回らない」という声は、規模を問わず多くの工場から聞こえてきます。
そこで検討されるのが旋盤の自動化です。ただし、NC旋盤はすでに加工そのものが自動化された機械。では何を自動化するのか、そして今ある機械のままで実現できるのか——ここが分からず、検討が止まってしまうケースは少なくありません。
本コラムでは、旋盤の自動化で対象となる工程、自動化の方式と選び方、既存機への後付け(レトロフィット)の可否、そして導入ステップまでを解説します。
旋盤の自動化ニーズが高まっている理由は、大きく3つあります。
1. 人手不足と技能承継の問題
加工現場の有効求人倍率は高い水準が続き、採用は容易ではありません。限られた人員で生産量を維持するには、人が担う作業そのものを減らす必要があります。
2. 設備稼働率の向上
NC旋盤は高価な設備ですが、作業者が帰れば止まります。ワークの供給・排出を自動化できれば、夜間や休日も機械を動かし続けることが可能になり、同じ設備投資から得られる生産量が増えます。
3. 品質の安定
人手による着脱は、作業者によって微妙なばらつきが生じます。自動化はこのばらつきを排除し、品質を安定させる効果もあります。
NC旋盤の自動化を考えるとき、最初に整理すべきは「どこがまだ人の作業として残っているか」です。加工そのものはプログラム制御されている一方、その前後には多くの手作業が残っています。
最も自動化の効果が大きいのがこの工程です。作業者が機械の前に張り付いている時間の大半は、加工完了を待ち、ワークを外して次を取り付ける作業に費やされています。ここを自動化すれば、作業者は機械から離れられ、連続運転も可能になります。
表裏の加工が必要なワークでは、反転してもう一度チャッキングする作業が発生します。反転装置やロボットによる持ち替えで、1台の機械内、あるいは2台の機械間での受け渡しを無人化できます。
加工後の寸法測定を自動化すれば、抜き取り検査のために機械を止める必要がなくなります。測定結果を工具補正にフィードバックする仕組みまで組めば、長時間の無人運転でも寸法精度を維持しやすくなります。
ロボットにツールを持たせてのバリ取りや、エアブロー・洗浄ユニットの組み込みも可能です。また、切粉の排出が滞ると連続運転が止まるため、切粉処理の見直しは自動化とセットで検討すべき項目です。
旋盤の自動化には複数の方式があり、ワークの形状・重量・生産量によって適したものが変わります。
| 方式 | 向いているワーク | 生産形態 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| バーフィーダ | 丸棒材から削り出す小径部品 | 量産 | 長時間の連続運転が可能。素材形状に制約あり |
| ガントリローダ | 円盤状・軸物など形状が揃った部品 | 量産・複数台連結 | 高速でサイクルタイムが短い。設置スペースと投資額は大きい |
| 多関節ロボット | 形状・重量の幅が広い部品 | 中〜大ロット | 動作の自由度が高く、測定やバリ取りにも展開可能。安全柵が必要 |
| 協働ロボット | 比較的軽量な部品 | 小〜中ロット・多品種 | 安全柵が不要な場合があり省スペース・低コスト。可搬重量に制約あり |
選定の判断軸となるのは、ワーク形状と重量/生産量とロットサイズ/段取り替えの頻度/設置スペース/予算の5点です。
特に見落とされがちなのが段取り替えの頻度です。多品種少量の現場で、品種が変わるたびに治具交換とティーチングのやり直しが発生する設計にしてしまうと、かえって手間が増えかねません。「どのワークを自動化の対象にするか」の見極めが、方式選定と同じくらい重要になります。
「自動化=自動化機能付きの機械への買い替え」と考えられがちですが、多くの場合、今お使いのNC旋盤に後付け(レトロフィット)する形で自動化は実現できます。設備を入れ替えるより投資を抑えられ、使い慣れた機械をそのまま活かせるのが利点です。
後付けを検討する際、機械側で確認しておきたいのは主に次の点です。
制御が古い機械であっても、信号の取り出しや改造によって自動化できるケースは多くあります。逆に、機械自体の精度や不具合が残ったまま自動化しても効果は限定的です。自動化の検討は、既存設備の状態確認とセットで進めることをおすすめします。
なお、自動化・省人化の設備投資には各種補助金が活用できる場合があります。計画段階で確認しておくとよいでしょう。
FDエンジニアリングサービス(藤川伝導機)は、ロボットシステムの設計・製作から設置・立ち上げまでを一貫して対応するシステムインテグレーターです。
強みは、設備を「入れ替える」前に「活かす」提案ができること。モーター・減速機の修理やオーバーホールなど設備保全で培った機械の知見をもとに、既存設備の状態を見極めたうえで、無理のない自動化プランをご提案します。導入後の保守までお任せいただけます。
「この機械でも自動化できるのか」「どのワークから始めるべきか」といった初期段階のご相談も歓迎です。まずは納入実績をご覧ください。

O社様が抱えていた主な課題は、既存ロボットの老朽化でした。スペースが限られる中でしたが、弊社は不二越製のロボット「MZ25」をご提案。不二越様と同行訪問し、現場でタクトタイムを算出し、ラフスケッチを交えながら具体的な導入イメージを共有、ご提案しました。
>>詳細はこちら!
旋盤の自動化をご検討の際は、FDエンジニアリングサービスまでお気軽にご相談ください。
FDエンジニアリングサービスをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
当サイトに掲載されている内容では解決できないお困り事や、相談などがございましたら
お気軽にご相談頂けますと幸いです。
豊富な実績により培われたノウハウで、お客様の課題を解決に導くご提案を実施させていただきます。